源照寺は石岡市宇治会(八郷地区)の農村集落北部の山手に位置し、江戸時代中期頃(推定)に建立された曹洞宗の古刹です。
間取り・外観共に岐阜県にある曹洞宗禅幢寺(ぜんとうじ)本堂(創建1663)に近い形で、東側を上居の間とする配置、角柱を1間毎に立てて舟肘木を置き、前面は入り口を両引き戸とし、それ以外は腰窓とするなど禅宗の規範に従った、広縁6室型の典型的な曹洞宗の寺院建築となっています。
目視による調査を行ったところ、2019年の台風19号による屋根への直接的な被災に加え、長年にわたる漏水による腐食や蟻害、その他経年劣化で大桁及び化粧垂木、隅木、舟肘木は被害が著しかった。そうした部位は撤去し新たな材と交換し、また痛みの少ない部材は補強等を加えながら、できるだけ活かして使う方向で設計を行った。北側の柱は元々古材を使用していた様子で貫穴が多く断面欠損が多い為交換し、柱は既存柱を含めて柱脚を貫で連結した。
当初は屋根の改修を主としたが、着工後に外壁や屋根下地を解体すると、内陣の床や須弥壇の土台廻り、床の間等まで蟻害が広範囲に及んでいるのが分かり、加えて小屋裏の一部に延焼した跡も見つかり、当初の工事範囲を上回る規模の改修となった。
曹洞宗 源照寺(古刹) 改修工事 石岡市 2020
所 在 |
茨城県石岡市宇治会 | |
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創 建 |
江戸時代中期頃(推定) | |
敷地面積 |
1,725.00㎡(521.81坪) | |
建築面積 |
169.16㎡(51.15坪)本堂部分 | |
延床面積 |
147.50㎡(44.61坪)本堂部分 | |
構 造 |
木造平屋建て(伝統工法) | |
工事種別 |
改修工事 |
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竣 工 |
2020年 10月 | |
設 計 |
㈲吉田建築計画事務所 | |
担 当 |
吉田、八木 |