H邸は石岡市の旧八郷地区に建つ、門構えのある大きな邸宅の一角に明治後期に建てられた書院づくりの住宅で築120年ほど経っています。
かつて施主のご祖父母が隠居住宅として住まわれていましたが、ここ20数年は使われずにいました。増築部の雨漏りや経年劣化、東日本大震災等による痛みは若干見られましたが、良質な構造材と丁寧な造りにより大きな損傷や不動沈下は無く、建具等もしっかりとしていました。
施主の思い出深いこの建物を再生し、60代のご夫婦お二人の住まいとして再生いたしました。
基本的なデザインは伝統的な和の空間に洋の暮らしのスタイルを融合させました。
銘木材の柱や天井材、長押、書院、欄間、建具などの創建当時の日本建築の伝統美を、熟練した職人技で補修して頂き、極力残すことが出来ました。間取は既存の和室3間を活かした1・LD・Kとし、水廻りは一新しました。
風通しや庭の眺めを大切にしながら、ホテルのスイートルームのような優美かつシンプルで機能的な動線計画としました。
また、気密性の高いアルミサッシュ、床・壁・天井には断熱材を敷き込み、一部床暖房をとり入れるなど温熱環境を向上させました。併せて構造材の補強や耐力壁を設けるなど耐震補強も行いました。


