敷地は小貝川流域の堤防沿いにあり、辺り一面に田畑の広がる古くからの集落内に位置します。建物は明治中期頃に創建された築130年以上の古民家です。柱にかすかに残る帯状のラインはかつて小貝川が氾濫した際の浸水跡です。改修履歴としては、約40年前(1980年)に茅葺屋根から現在の瓦屋根に改修し、30年前に土間のリフォーム工事を行っています。家業は代々続く米農家を営まれており、耕作が一段落する農閑期をねらって工事を行いました。
家族構成は親夫婦と娘夫婦の2世帯住宅。本工事の前年に、娘夫婦の寝室と浴室を別棟に増築されています。今回の再生では、基本的な間取りはそのまま残し、キッチン・ダイニング・土間を中心に行いました。内装の新建材は取り払い古材を現しにして、古民家本来の落ち着いた和の空間に、アイランドキッチンなどモダンテイストなインテリアを併せています。またキッチンや収納をすっきりと納めることで、機能的で明快な動線となり母娘が揃って快適に調理ができ、続くダイニングではゆったりと食事をとることが可能となりました。
また、田の字の間取りである和室四室は、奥座敷二間は復旧し、手前二間は寝室及び居間として床をフローリングとし、寝室は個室としての機能性を加味しています。
併せて外壁及びサッシュは新設し、古民家の風情を残しつつ温熱環境と耐震性の機能を向上させました。


