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CASE 02

先代の知恵と現代の技が融合した、蔵スタイルのすまい。

S邸 古民家再生工事 石岡市 2010

コンセプト

 明治40年に石岡市内(八郷地区)に創建された平屋建寄棟造りの民家。築105年の民家を三世代6人の家族が暮らす2階建ての住宅として再生(建築基準法上は新築)しました。施主からの希望は、一部2階建てとする、明るい室内、地震に耐えられる構造、冬暖かい家、薪ストーブの設置等でした。
 事前調査の結果、建物の土間から東側にかけての構造体に、かなり前からと思われる腐食が見られました、天井が張ってあったので気づかなかった様でした。この部分は切り離して解体しそこへ新たな構造で2階建てをつくり、既存部分と接続する提案を行いました。また、設計の基本として内外装共に県産材杉・檜と漆喰、珪藻土など自然素材で行う事としました。
 伝統工法を残して(一部耐力壁を増設)新たに軸組み工法と融合させる試みはこの建物の特徴的なところです。室内のデザインは既存部分については創建時の通りに復元し、増築した2階建て部分は生活動線を重視した機能的なプランとしました。外観は土蔵のイメージとし、民家の大屋根の意匠と土蔵造りが一体となる外観としました。工事が始まり、先に既存部分を揚屋して、増築部分と一体の基礎を作り、土台を設置後に下ろしました。そのあと増築部分の建て方を行いました。暗かった中央部の部屋には屋根にガラス瓦を用いて自然光が差し込む明るい部屋になりました。また、建物全体の断熱性能を上げたため、薪ストーブでの暖房が可能になりました。

完成までのブログ
特徴
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土間より8畳、奥座敷を見る。敷居や鴨居に時代を経過した存在感を感じます。床高が高い為、式台をコーナーに2段に回し、土間から室内への上がり下りを楽にしました。

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(左)8畳間の柱、差し鴨居、梁と天井根太は既存のままとして、天井面の板材を新しくしました。(右)奥座敷は、柱や長押しは既存とし、天井はかつての竿縁天井を忠実に復元しました。ここでは新材はあえて白木のままとし、少しづつ経年変化を楽しむこととしました。

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(左)接客空間でもある土間は天井から自然光が差し込み明るい室内としました。(右)屋根の上に突き出た小窓は、小屋裏部屋への採光用の窓です。屋根のアクセントにもなっています。

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(左)かつての寝間をリビングにしました。栗材の床に壁は珪藻土塗り、天井は梁、根太は既存とし板材を新しくしました。(中)かつての横座をダイニングにしました。(右)キッチンはトップライトから自然光が差し込みます。

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(右)手前が今回増築した2階建て、下部を檜板張りとし上部を漆喰塗りとした、土蔵のデザインをモチーフにしました。(左)建物西側の軒裏、せがい造りと化粧垂木が混在した意匠が特徴的。

コンセプト
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コンセプト

所 在

石岡市

敷地面積

1091.94㎡

建築面積

56.37㎡(増築部分) 合計338.79㎡

延床面積

90.32㎡(増築部分) 合計390.93㎡

構造・用途

木造2階  一戸建ての住宅

概 要

1F 土間、リビング、ダイニング、キッチン、和室A・B、洗面脱衣室、UB、トイレ、納戸
2F 洋室、子供室、トイレ、バルコニー

竣 工

2010年 5月

担 当

吉田・内田

設 計

㈲吉田建築計画事務所

家族構成

ご夫婦(40代)、お子様2人

敷地環境

住宅地

外部仕上げ

屋根:日本瓦葺き、金属屋根
外壁:漆喰塗り・簓子下見板張り、檜板張り

内部仕上げ

天井:杉縁甲板・竿縁天井 壁:珪藻土 床:檜縁甲板、杉縁甲板
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