大正時代に建てられた、平屋建て寄棟せがい造りの民家。子育ての終ったご夫婦が趣味を活かし、民家の良さを残しながら楽しく暮らせる住宅へと再生しました。子供達や親世帯と同居していた頃に増築した部屋は、今回の工事で全て解体して、創建当時の端正な姿に戻しました。
施主からご希望は、化石燃料をなるべく抑えたエコロジーな暮らし。具体的には自然光が入り明るい室内、冬暖かい家、建具の再利用、化学物質を含む建材は使わない、土間を残す、先祖の育てた材木を使う、収納が沢山欲しい、薪ストーブが欲しい、太陽光発電の設置、小屋裏利用等でした。
基本プランは決定までかなりの時間を要し、特にキッチンや階段の位置はあらゆるパターンを検討しました。基本的に二間続き以外の部屋は全く新たなプランとなりました。事前調査で梁、桁が継ぎ手のない一本ものであることが分かり、土壁が良い状態である事などから構造はそのままに土壁も出来るだけ残しました。基礎は無く石端建て工法の為、建物を一度持ち上げて、基礎を作り土台を設置し家を下ろしました。
床・天井材の杉板や土台・柱は施主所有の材木を利用、壁は珪藻土、断熱材は杉の端材を原料とした製品を使用。対面式のキッチンは使い勝手を考えオーダーで作りました。屋根にトップライトを設け中廊下も明るくなり、大阪格子戸や出書院の建具などは修理をして再利用しました。真冬でもストーブ一台でかなりの部分が温まり、太陽光発電と併せてエコロジーな暮らしとなりました。
CASE 03
M邸 古民家再生工事 2011
広間、中の間、奥座敷の和室3間を生活の中心であるリビング、ダイニング、キッチンとしました。
(左)薪ストーブのあるリビングから土間方向を見る。天井を外して吹き抜け空間としました。屋根にトップライトを設け、室内に自然光が注ぎ込みます。大阪格子戸など古い建具も全て修理をして再利用しました。古い建具を残すことも再生では重要な事です。(右)小屋裏(納戸)へ上がる為の階段を設けました。重い荷物も楽に運べます。
(左)かつての土間部分。床板や床框は奥座敷から移設し、天井は一部梁を現しに。(右)広縁の一角をディスプレイに。
(左)土間は床を洗い出し仕上げ、壁は珪藻土塗り、天井は創建当時のままに梁を全て現しとしました。(中)梁は一本一本洗ってから、古色塗りとしました。(右)玄関の欄間はかつての書院の欄間を再利用したものです。
(右)まるで寺社建築のように手の込んだ、せがい造りと飛燕垂木が見事です。(左)北西から見た外観、新しい下見板張りと古い材木の対比が実に新鮮な感じがします。
所 在 |
- | |
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敷地面積 |
- | |
建築面積 |
166.37㎡ | |
延床面積 |
140.55㎡ | |
構造・用途 |
木造平屋建 一戸建ての住宅 | |
概 要 |
1F | 玄関、広縁、リビング、ダイニング、キッチン、和室、主寝室、洗面脱衣室、バス、トイレ等 |
| 2F | ||
竣 工 |
2011年 3月 | |
担 当 |
吉田・三枝 | |
設 計 |
㈲吉田建築計画事務所 | |
家族構成 |
- | |
敷地環境 |
集落地 | |
外部仕上げ |
屋根:日本瓦葺き 外壁:漆喰塗り・簓子下見板張り | |
内部仕上げ |
天井:杉縁甲板・竿縁天井 壁:珪藻土塗り 床:檜 | |

