周辺環境と背景
敷地は北部に利根川、南部は手賀沼の低地に挟まれた台地に位置し、敷地北側にはJR成田線が走ります。最寄駅の湖北駅周辺は、1965年頃から都心へ通勤するベッドタウンとして湖北台団地が開発されて以降の住宅地が広がっています。
わかくさこども園は、道路建設に伴い既存園舎から北側へ100mほど行った場所へ移転しての建替えとなりました。また、建替えに伴いこれまでの幼稚園から、幼保連携型認定こども園に変わりました。
サスティナブルな社会へ向けた園舎づくり
園舎づくりにおいては、①地域コミュニティーとの交流を大切にする・②子供たちの原風景となるような住環境づくり・③木造の暖かみのある空間・④安全で安心な園舎づくりを大きなテーマとしました。
広大な敷地は東西に長く、西から東へ緩やかに傾斜しており、その地形を活かす形で造成計画を行いました。そして園舎は木造平屋建てとし、南側の園庭に向かって開放的な間取りとしました。
床はヒノキの無垢材とし、柱や梁を室内に見えるようにする為、燃え代設計という柱・梁のサイズを構造上必要なサイズ以上に太くする方法を用いた、木造準耐火建築物としました。
建物は大きなカーブを描いたデザインとし、出来るだけ高さを抑え周辺環境や街並みに馴染むスケールとしました。
子どもたちがのびのびいきいきと
カーブを描いた深い軒下空間はウッドデッキとし、保育室から連続する構成で建具を開けると内外が一つの空間となります。子供たちは日々の生活(遊び、食事、読書等)の中で、自然との一体感のある体験・経験をつんでいきます。
保育室内は、大きな屋根の下にみんなで集う空間をイメージしています。傾斜をつけた吹き抜けの天窓からは、柔らかい自然光が大きな梁を通して差し込み、緩やかに風が流れ床のヒノキの香りも相まって落ち着いた雰囲気となりました。
また、各保育室の前には縁側ホールを設けいます。ウッドデッキに続く、連続した開放的な空間で様々な活動や昼食等、子どもたちの思いに合わせて使用できると共に、こども同志、先生方もコミュニケーションが自然なかたちでとれる空間として考えています。
広いエントランスは、ギャラリーも兼ねていています。子供たちの創作活動の発表や地域の方々とのコミュニティースペースとして様々な使い方が展開されていきます。
園舎周囲には、園庭はじめ芝生や植栽のある緑豊かな広場を各所に設けました。子どもたちの遊びや感性に合わせて更に植えられて行く予定です。まだまだ小さな木々たちですが、1年後、2年後、5年後と木々が成長し、園舎をとりまく景観が変化していく様子が今からとても楽しみです。
CASE 21(木造園舎)
わかくさこども園 木造平屋建(準耐火建築物) 新築工事 千葉県我孫子市 2022
事業主 |
学校法人 中野学園 | |
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施設名 |
わかくさこども園 | |
所在地 |
千葉県我孫子市 | |
用途地域 |
未指定 | |
地域地区 |
市街化調整区域 | |
主要用途 |
認定こども園 定員99名 | |
工事種別 |
新築 | |
構 造 |
木造 階数:1階 準耐火建築物 | |
竣 工 |
2022年 3月 | |
敷地面積 |
6,221.98㎡(1882.14坪) | |
建築面積 |
1,161.41㎡(351.93坪) | |
延床面積 |
1,105.51㎡(334.41坪) | |
設 計 |
㈲吉田建築計画事務所 | |
担 当 |
吉田・山本 | |
リンク |
わかくさこども園 ホームページ |