
創造性に溢れる子供たちに遊びながら、自然の持つ美しさや、心地よさを肌で感じてほしい。そんな願いを込めて設計しました。
1階プランはホール(ランチルーム兼)を囲んで1歳・2歳・3歳児室が繋がるホール型とし、八角形の大黒柱のあるホールを広場に見立てました。各保育室から広場に集い、皆で踊ったり、歌ったり、遊んだりと、楽しく過ごせる場としました。ホール上部は天窓のある吹き抜けとなっていて、1階・2階の空間をひとつに繋げています。ハイハイの赤ちゃんでも登れる、緩やかな檜の階段は、冒険心溢れる子供たちの、遊具としてもデザインしました。
2階のプランは中央に吹き抜け、南側にウッドデッキを設け、遊戯室を中心に全体的に開放感のある空間としました。また、読書コーナーのような小さな空間も併せて構成し、落ち着ける場所も大切にしました。
また、建物は第二の皮膚ともいわれます、子供の身体の安全・安心に徹底しました。建材には化学物質を含まない地域産材の杉・檜・珪藻土、塗料には植物油など自然素材をたくさん使用しました。これらは、太陽光発電と併せて、今や社会全体の課題である、次世代へ向けて持続可能な社会をつくる取り組みにも繋がっています。

大きな大黒柱のあるナチュラルテイストのホール兼ランチルーム。一日中、異なる年齢の子供たちが食べたり、歌ったり、踊ったりしています。
2歳児室は南側の広縁、西側の広縁と可動間仕切りでそれぞれに、広い空間、小さい空間と自由に調整ができます。
調理室はホ-ル(ランチル-ム)と対面式としました。調理士と子供達がコミュニケ-ションをとりながら楽しく食事がとれます。
(左)子ども達が日に何度も上り下りする階段は、吹抜けとハイサイド窓で自然光が注ぎこみます。(右)2階ホ-ルは天井が高くゆったり。1段上がった図書コーナーは子ども達のお気に入り。腰壁のひし形の小さな窓は下の様子を見られるように設けました。
2階ホ-ルは4・5歳児のロッカ-コ-ナ-も兼ねています。座ってお着替えができる様にベンチも兼ねたデザインとしました。
(左)一時預かり室は大きな可動間仕切りを開けると遊戯室とワンル-ムとなります。(右)3歳児室、自分たちで午睡用の布団を敷きます。ロッカ-も子供達が自分で整理整頓できる様、使い勝手を検討しました。
トイレも清潔で風通しの良い環境にしました。また、保育士さんから様子を見えるよう配慮しました。
建物南側全景、中央の高い屋根は吹抜けのハイサイド窓。1 階部分の外壁は杉板を張りました。2階は屋根のあるデッキテラス、夏の暑い日でも、雨の日でも遊べるようにしました。木で隠れていますが中央部がエントランスホ-ルです。

はなのわ保育園 坂主恵子 園長
わが園では、幼児期の土台づくりのひとつとして、丈夫な体と感性を培うため、素足・薄着の生活をしています。平成24年4月完成の園舎は、願いどおりのものでした。檜の床・杉材・珪藻土を使い、夏はひんやり冬はほんのりと、森林浴のように清々しい、ゆったりとした気分で過ごしています。園周辺が宅地化し、昔あった麦畑・田んぼ・林も姿をけしたなか、木づくりの生活空間は、子どもたちにとって得がたいものとなっています。