周辺環境
敷地周囲は海抜40mに位置し、広大な大地がパノラマ状に広がります。東にむかって500mほど先に美しい海岸の風景(平磯海岸ジオサイト)が広がり、西側に150m程の距離に、ひたちなか海浜鉄道湊線が走り、時折り長閑に走る車両の姿を眺めることができるなど、田園景観と海浜景観に囲まれた豊かな自然環境に恵まれた立地。
過去と未来を繋ぐ「螺旋」をイメージ
園舎のデザインは、眼下に広がる雄大な平磯海岸の波、この地で産出される古代のアンモナイトの渦巻、過去から未来へと永遠に循環しながら上昇する「螺旋」をイメージした。木の持つ柔らかかい優美性、且つ躍動感を感じるカーブを描いたデザインとしました。
子どもたちが日々楽しみながら自立性を育む
ポーチからエントランスへ入ると、吹抜けの高い天井から自然光が注ぎ込み、親娘の赤い鯨(平磯海岸の伝説のシンボル)のオブジェが子供たちを元気に迎えて来れます。
各保育室の南側に大きな縁側空間があり、光と風が室内に流れ、ウッドデッキ、園庭へと繋がります。縁側空間は決められた使い方ではなく、保育室、通路、ダイニングルーム、自由な遊びの場など、多様性のあるスペースで、子どもたちが主体的に思考を巡らし行動する、自立性を育む場所として計画しました。
持続可能な社会と多様化する保育ニーズへの対応
多様化する保育ニーズへの対応として、専用玄関を設けた病児・病後児の受け入れが可能な保育室を設けました。また、食物アレルギーを持つ子どもへの対応として、アレルゲンの混入防止のめに一般給食室内に壁で仕切った専用厨房を設置しました。室内環境として各保育室は、自然素材を使用し二方向からの採光・通風を確保しています。
地域産木造による暖かく温もりのある空間
建築はじめ、建具、家具、椅子・テーブルも全て地域産木材のヒノキと杉材を使用した手作りによるものです。木の香漂い、柔らかくて温かい素材で調湿性や抗菌性にも優れています。また、大きな柱や梁も化粧材として室内に表し視覚的にも木を楽しめる設えとしました。
家具、椅子・テーブルは0歳から5歳児まで年齢毎に合うサイズで作ったオリジナルです。家具作家さんと、先生方を交えてデザインや使い勝手など議論を重ね、試作品を作り細部のディティールまでこだわった逸品です。
地球のスケールを感じるルーフテラス
屋上には眼下に海を望むルーフテラスを設けました。夏のプール遊び、屋上園庭、屋外保育、グランピングなど、アウトドアを楽しめる半屋外の空間です。地球の広さを感じ自然と生き生きと戯れる体験・経験のでき、子どもたちの良き思い出の場所となる事でしょう。
